「古志」深川句会(4月)を終えて

4月10日(水)は「古志」深川句会でした。


毎月第2水曜日に江東区森下文化センターで開催しています。


「古志」の会員であれば、どなたでもご参加いただけます。

第一句座、特選句からいくつか。


朧夜の朧のままに源氏読む   安藤文


『源氏物語』をひもといているのだけれども、


朧のまま読み進めている状態であることを吐露しています。


別の解釈としては、源氏に描かれている人間の愛の不可思議、


ひいては人間という存在の脆さ儚さ、この世の無常といったものを


〈朧〉と捉えているというふうに読むこともできます。


さらにはその源氏を読んでいる自分自身もまた〈朧〉な存在であるというわけです。


安藤さんはいま『源氏物語』と格闘中とのこと。


関西を一人旅するなど、おのれを深めているところです。


若い作家だけに、ひとつひとつの積み重ねが結実する日が楽しみです。


かきくけこ「こ」はころばない老の春   那珂侑子


シニア世代向けの「かきくけこ」。


「か」は書くこと。「き」は興味を持つこと。「く」は工夫すること。


「け」は決断すること。「こ」は転ばないこと。


この句では〈ころばない〉に焦点を合わせて、


自分自身に言い聞かせるかのような調子で詠んでいます。


軽妙な調子のなかにも、切実な老の悲哀を感じさせます。


海神の大きなつばさ潮干潟   篠原隆子


〈海神〉はわたつみ、わだつみと読みます。


この句においては大綿津見神を指しています。


潮が引いてあらわになった砂地を海神の翼に見立てているのですが、


まるで干潟ごと飛び立っていくかのような、


雄大で神秘的な印象を読者にもたらすことに成功しています。


つづきはまた明日。


どうぞ良き一日をお過ごしください。

古志 | 俳句結社「古志」のホームページ

大谷主宰ご出席のもと、対面句会を開催します。古志会員であれば、どなたでもご参加いただけます。日時=5月8日 (水)13時30分〜17時会場=森下文化センター(第2研修室)半蔵門線・大江戸線「清澄白河駅」徒歩8分・都営新宿線「森下駅」徒歩8分参加費=2000円第1句座:5句(当季雑詠) 第2句座:3句(席題)*事前のお申し込みは必要ありません。*当日は風邪の症状があるなど、体調がすぐれない場合は、ご参加をお控えください。手指の洗浄、アルコール消毒にご協力ください。マスクの着用は任意です。*「古志」以外の方で体験参加をご希望の方は「古志」公式HPよりお問い合わせください。*ご不明な点は、幹事の篠原隆子さんまでお問い合わせください。大谷主宰出席の句会 ・5日(日)全国小中学生俳句大会表彰式(一茶記念館主催)・8日(水)深川句会・10日(金)名残句会(芭蕉記念館)・25日(土)YouTube句会※「YouTube席題句会」、「YouTube鍛練句会」は定例の「YouTube句会」配信のなかで申込みの案内・受付をしています。参加希望の方は、まずは定例の「YouTube句会」にご参加ください。 ※大谷弘至official siteブログにて最新情報を随時更新しています。評釈やエッセイなども掲載されていますので、ぜひご覧ください。 http://otanihiroshi.amebaownd.com長谷川前主宰出席の句会・4日(土)軽井沢新緑ズーム句会(ネット投句スクーリング)・5日(日)広島ズーム句会・11日(土)朝日カルチャーズーム講座「『おくのほそ道』をよむ」・11日(土)古志ズーム講座「俳句でよむ『おくのほそ道』」・12日(日)きごさい+、山口禮子さん・18日(土)鎌倉ズーム句会・19日(日)金沢ズーム句会・25日(土)朝日カルチャーズーム講座「一億人の俳句入門」・26日(日)仙台ズーム句会※新型コロナウイルス感染症の流行状況によりスケジュールは変更となる場合があります。発行:2024年4月10日長谷川櫂論:青木亮人装丁:水戸部功本文デザイン:星野絢香/TSTJ四六判並製 240頁定価:2420円(税込)ISBN:978-4-911090-11-4 C0092以下のリンクよりご購入できます。https://saku-pub.com/books/hasegawa.html大谷

www.koshisha.com

0コメント

  • 1000 / 1000