「古志」郵便句会(11月)を終えて

遅くなりましたが、11月の「古志」郵便句会から特選句をいくつかご紹介します。


オンライン句会に参加できない方々のための句会です。


枯るるより食はれてしまへ蟷螂よ  上俊一


作者の人生観がうかがえる句。


老いさらばえて永らえるくらいなら、


いっそ雌に食われてしまったほうがいいというのです。


霜菊にあかねさす朝あといくつ  西川東久


さきほどの句とは反対に、


あとどれくらい永らえることができるだろうかという切実な句。


作者自身の境涯が霜菊に投影されています。

(Photo by Canva


段畑は天まで蜜柑有田川  白石勉


〈天まで蜜柑〉という表現がいいですね。


紀州の空と海があおあおと眼裏に広がっていきます。


コロナ禍をきっかけに開始した「古志」郵便句会ですが、


次回で最後となります。


12月20日(水)投句締切です。


有終の美となるよう、よい準備をして臨みましょう。


御健吟を心よりお祈り申し上げます。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

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