志演尊空神社

おはようございます。


きのうの続きです。


波郷旧居跡のすぐ近くに、


志演尊空神社(しのぶそんくうじんじゃ)があります。

1624年(寛永元年)創建の小さな神社です。


とにかく名前がカッコいいですが、


もともとあった二つの神社、


「志演神社」と「尊空稲荷神社」が合併されたものだそうです。

なんでも合併の理由は、昭和31年の越中島支線延伸工事にともない、


尊空稲荷神社が立ち退きになったから、とのこと。


戦後の発展はこうした犠牲の上にあるんですね。


波郷がこの地に住んでいた頃のことです。

こちらは力石。


寛文四年(1664)の銘。


都内最古、全国でもかなり古い方の力石だとか。

ちなみに尊空というのは、尊空親王という人物に由来します。


尊空親王は伏見宮邦頼親王の御子で、知恩院の第36代住持でした。


しかし、ゆえあって、寛文三年(1663)に江戸にやってきて、深川五本松に隠棲します。


たびたびご紹介している小名木川の五本松です。


当時、五本松あたりは大名屋敷(および大名蔵屋敷)でしたが、


そのあたりに住んでいたということです。(わたしのご近所様です)


尊空親王が亡くなった後、


村民がその遺徳を敬慕して祀ったがこの神社なのだそう。

さまざまな縁が結び合わさって、この地の現在があるんだとあらためて感じさせられました。

いまではラジオ体操の会場となっています。

どうぞよき週末をお過ごしください。

大谷弘至 official site

俳句「古志」主宰 和光大学俳句部顧問

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 大谷弘至

    2023.10.17 17:55

    @邊庭歴史が浅い神社でも調べてみると面白いですね。 ご都合が合うときにでもYouTube句会、ぜひご参加ください。
  • 邊庭

    2023.10.15 03:53

    大谷先生、こういう地元の由緒、来歴は大切ですね。表題を見て不思議な名前の神社だと思いましたが、合祀されたのですね。力石、昔の人は現代の人よりも小兵のはずですが、体力、筋力だけは十分だったのでしょう。