半歌仙「庵の月」の巻 連句解説 8

昨日の記事の続きです。


「古志」9月号掲載の半歌仙「庵の月」の巻の解説です。


今回をもって最終回になります。


第十一、花の定座(じょうざ)。


ここは終盤の大きな見せ場です。


花の色松や柳を後ろにし   淳子


「色」といったのがよかったですね。


色彩だけでなく、色気、艶にも通じます。


空間的にも情緒的にも深い奥行きがある堂々とした一句です。


 ロボット猫も春に浮かれて   淳子

花の色松や柳を後ろにし     淳子


自身で付けた形になりますが、春爛漫の世界が表現されています。


そして挙句(揚句)です。締めの一句です。


「挙句(あげく)の果て」の語源になっています。


 蓑ひつかけて種蒔きに行く   まこと


「ひつかけて」というのが良いですね。


軽やかでありつつ味わい深い表現です。


「蓑」というと、やはり芭蕉の姿をイメージすると思いますが、


俳聖へのオマージュにもなっているわけです。


挙句(揚句)にふさわしい、


めでたい一句ではないでしょうか。


以上で半歌仙一巻の解説となります。


全体としてはまとまりのある一巻になったと思います。


そのぶん、もうすこし良い意味で、


崩れる、壊れるところがあっても良かったと反省しています。


捌きの至らぬ点です。次回までに腕を磨いておきます。

連句(歌仙、半歌仙)には共同制作という、


俳句にはない魅力があります。


ぜひ「古志」9月号の臼杵さん、越智さんのレポートもあわせてご覧ください。


また、木下洋子さんによる『猿蓑』「夏の月」の巻の解説も参考になると思います。


「古志」は俳句結社ですが、有志にて連句にも親しんでいます。


連句についてはみな初心者です。


少しずつ学んでいるところです。


ご興味のある方は「古志」公式サイトまでお問い合わせください。

古志 | 俳句結社「古志」のホームページ

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